簡易金型とは?
金型とは通常、樹脂成形やプレス加工、鍛造、鋳造などで製品を大量生産する際に使う道具です。その中でも『簡易金型』は、量産金型の作成前に小ロットでの生産が必要な場合や、形状や機能面を検証するために試作をしたい場合に適した、簡易的なプレス用金型のことをいいます。
難易度の高い製品の場合は、量産加工を見据えた金型設計、量産時のトラブルを最小限に抑えて生産性の高い金型づくりが必要とされます。試作による事前検証によって、問題点や懸念事項の拾い出しをおこなう事ができ、弊社の加工実績をノウハウとして活用することで、全体最適な設計提案を目指しております。
高精度の金型を製造するためには 設計、製造、メンテナンス調整などの複数工程の連携体制が欠かせません。高額な量産金型を作製する前に問題点を把握し、懸念事項に対して改善を行う事で、優れた量産金型が作成可能となります。
ここからは、簡易金型のメリットとデメリットを紹介していきます。
簡易金型のメリット
最も大きなメリットといえるのが、低コストで製品を加工できることです。
金型を作るための費用は、形状やサイズなどの条件、お客様が求める納期によって異なりますが、簡易金型の場合は量産金型よりコストを安く作ることができます。お客様のご要望によっては、ブランクをワイヤカットで加工し、後工程のみ金型を設けることで、費用を押さえながら試作品を作製することができます。
また、簡易金型をチョイスすることで、リードタイムを短くすることができ、急ぎで金型が必要な場合にも融通が利きます、加工品サンプルを急ぎで検証したい場合などは、量産前に加工品の問題点などを把握でき、その結果に合わせて加工方法や形状変更、使用する材質を変更することができるのも、メリットといえます。
簡易金型のデメリット
まず、対応できるショット数に限度があります。金型構造を簡略化し、あえて耐久性を落とした金型ですので、大量生産を目的とする製品加工には向いていません。
また、ほとんどの場合、大型の成形部品の対応は難しいと言えます。大型製品の開発や大量生産に使用する金型が必要な場合には、残念ながら簡易金型は適しておりません。
コストを抑えるために中身の“入れ子”だけ入れ替え
真ん中の四角にくり抜かれた部分がありますが、試作部品に合わせた刃物を“入れ子化”しプレス加工します。通常の量産金型では、それぞれ製品ごとに専用のダイセットを準備しますが、弊社の簡易金型ではダイセット部分は繰り返し使用します。そうすることで、試作加工のアイテムごとに全てをゼロから作っていた場合に比べ、ダイセットに関わる費用を削減することが可能です。
入れ子とは?
金型の加工刃物部分のみを作製し、メンテナンスの実施や摩耗による刃物交換をし易くするために用いる方法です。
ダイセットとは?
金型をプレス機に固定し、上型と下型の位置関係を正しく保ちながら、正確に上下運動させるガイドのことを言います。
当社の簡易金型で実際に試作加工した製品
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